結婚をしてアメリカに移住した片付けコンサルタントのこんまりさん。
アメリカの『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出され、Netflixの動画も全米で1位になるなど、アメリカでも成功を納めています。
しかし、批判の声もあると言うのです。
今回はこんまりさんの移住とアメリカでの人気の理由、そして批判の内容について調べてみました。
こんまりはなぜアメリカに移住したのか?
こんまりさんこと近藤麻理恵さんは、夫の川原卓巳さんと結婚されてからアメリカへ移住しました。
アメリカへ移住を決めるきっかけとなった、こんまりさんの経歴をご紹介します。
- 2011年:初の著書「人生がときめく片づけの魔法」を出版
- 100万部を超えるベストセラー
- 世界40か国以上で翻訳出版されている
- 2014年:結婚
- 2015年:長女を出産
- 2016年:アメリカに移住
- 2016年:次女を出産
- 2019年:Netflixで動画を配信し全米で1位となる
本格的にアメリカへ引越したのは2016年ですが、2011年の書籍発売後から、世界中からの問い合わせが殺到したそうです。
仕事の拠点をアメリカに移した理由について、2019年5月11日の「GOETHE」情熱パーソン内のインタビューで話していました。
「進出しようというより、私の著書『人生がときめく片づけの魔法』が日本で2011年にミリオンセラーになり、’14年に英訳版がアメリカで出版されることになったんです。それが発売直後からベストセラーになった、というのが始まりです。」
(中略)
「海外からの依頼とニーズが止まらなくなったんです。当時の公式サイトは日本語のものしかなかったのに、問い合わせはほとんど外国語。その状況を見た時、アメリカに引っ越してみようかな、と。」
日本と違いアメリカには『片付ける』という文化がないそうです。
そのため『片付ける』という意味をもつ単語として『kondo』という言葉が誕生するほどの社会現象となったのです。

2015年にはアメリカ『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されています。
それがきっかけで、今まで以上に海外での仕事が増えて、日本とアメリカでの仕事が半々になったそうです。
もっと世界に「こんまり流片づけメソッド」を広めようと、2016年に家族でアメリカへの移住を決めたそうです。(東洋経済より)
こんまりの動画はなぜアメリカで人気なのか?
2014年に翻訳された書籍がアメリカでベストセラーになり、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー欄に掲載されました。
そこから、ブックツアーを全米で行い、「片付けることで幸せになれる」というこんまりメソッドを夫婦で広めてきました。
夫の川原卓巳さんは、前職がコンサルタントで結婚を機に会社を立ち上げ、こんまりさんのマネージャー兼プロデューサーをしています。

アメリカでの人気を受け、2019年1月1日からNetflixでの動画の配信がスタートしたのです。
Netflixオリジナル番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』
- 190カ国で放映
- 数百万人もの人々が視聴
- 2020年3月現在動画は8本
- 60家庭から8家庭に絞られた
さらに動画配信が、2019年Netflix全米ノンフクション部門で、1位になったのです。
この動画は、アメリカ人の片付けに困っている人のお宅に訪問して、片付けを伝授するというものです。
では、なぜこの動画が人気になったのでしょうか?
そのことについて、動画のプロデュースと、出演するお宅を決めた夫の川原卓巳さんがインタビューに答えていました。
「とくにこだわったのは多様性です。世界の多くの人に共感してもらえるよう、人種もライフステージもセクシャリティーもバラバラな人を選びました」
2019/04/12 東洋経済より引用
動画は1本につき、1家庭で「育児と仕事を両立できず悩む夫婦」や、「未亡人」「ゲイやレズビアンのカップル」などが登場しています。
色々な立場の人たちが「片づけ」によってハッピーになっていくという、戦略でした。
片づけをただ伝授するだけではなかったのです。
「自分にとって本当に必要なものは何か」ということを考えさせられる構成で、胸が熱くなる回もありました。
その奥深さが、出演者と視聴者の心を掴み話題になったのです。
こんまりがアメリカで批判されていた?
Netflixの動画が人気となり、ファンばかりだと思っていましたが批判する人がいたそうです。
アメリカの社会批評家で著名な女性コラムニストで作家の「バーバラ・エーレンライク」です。
この方は、ツイッターのフォロワーが、6万5千人を超えるインフルエンサーだそうです。
アメリカで片付けの伝道師として人気になったこんまりへの批判ツイートがこちらです。

「我々のお片付けのグルMarie Kondoが英語を話せるようになって初めて私はアメリカが衰退の道をたどっていないと認める」
https://cakes.mu/posts/24346より引用
しかし、このツイートが「人種差別」だと炎上してしまったのです。
炎上を受けて、このツイートは削除されたのですが、新たなツイートがまだ炎上したのでした。

「白状しよう。私はMarie Kondoが嫌いだ。美学的見地では私は散らかっている側の人間だから。言語に関しては、膨大な数のアメリカ人の視聴者に対して彼女が英語を話さなくても私は別にかまわない。だが、それが超大国としてのアメリカが衰退していることを示唆しているのは確かだ」
https://cakes.mu/posts/24346より引用
その経緯は、こんまりのNetflixの動画が発端でした。
こんまりは、英語が話せないそうです。
なので、動画内では日本語で、通訳さんがその場で訳していたそうです。
そのことに対して、日本人が日本語でアメリカ人の心を掴んでいることへの批判とも取れるツイートをしたのでした。
おそらく、こんな固定概念を抱いていたのではないでしょうか?
- アメリカのネイティブ言語は英語
- アメリカに来たら英語を話すべき
- 英語を話さずにアメリカで仕事ができるというのは、英語を話せと強要できなくなったアメリカの衰退
こんまりを批判し、逆に批判されてしまった訳ですね。
こんまりさんも、片付けで伝えたいことは言葉の壁を超えて、心に届くはずと言っていました。
自身の信念の元、日本でもアメリカでも活躍しているこんまりさんの活動は、まだまだ止まらないようです。